カテゴリー「書籍・雑誌」の13件の記事

2020年7月27日 (月)

「日本の原爆」著者に問う

太平洋戦争で米国は日本に2個の原爆を投下した。では敗戦国の日本やドイツでの原発製造はどうなっていたか。アメリカ側から見た「なぜ、ナチスは原爆製造に失敗したか」「成功していた日本の原爆実験」は以前に読んでみた。そこで日本人が書いた日本の原爆製造の本を読んでみた。著者の保阪正泰の集大成ともいうべきこの本は興味深く私にとっても関係者の中に武谷三男や坂田民雄の名前があって、身近に感じた。

ところで、米国側の調書から成る「成功していた日本の原爆実験」という本には以下の記述がある。(以前に読んだ本で手元にないので正確ではないかもしれないが)

***

私のめもによると:

アメリカ側の調査によると日本領の朝鮮で原爆製造が試みられ、初歩の実験があった。

北朝鮮興南市、日本軍が1945年に原爆実験をやった場所。

ここには豊富な電力(水力発電)があった。

野口遵:日本窒素、旭化成、積水化学工業、積水ハウス、の創業者。興南市に巨大水力発電を作り、ウランの抽出、精製、などで日本軍に協力し、原爆製造に関与した。

ドイツからウランを購入(ただし日本には届かなかった)

日本の敗戦後、日本の原爆製造の技術を重く見て、ソ連軍が侵入し、米軍に回収されないうちに日本軍の原爆に使用した設備をすべて回収した。これが南北朝鮮の分画の原因になった、というような印象だった。

***

そこで保阪正泰氏に問いたいのだ。朝鮮におけるこのような原爆製造実験については何も語られていない。日本本土で行われたものでないから省いたのか。それとも米軍側の調査は間違っていたのか。この本は参考文献の中に見出せなかったが読んでいないのか。

東京裁判で仁科芳雄が不利にならないように配慮したのか。ハイゼンベルグがナチスの責任をを負わなかったように。

日本の原爆製造の全容を解明するのであれば、朝鮮を舞台にした原爆製造に関する記述も必要だ、と思われるのだが。確か、仁科芳雄博士もそこに足を運んだと書いてあったような気がしたが。

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2019年3月15日 (金)

「献灯使」  なんだこれは!

これが、みんなが読んで理解できる小説かね。価値のある小説なのかね。ネットに著者の多和田葉子とキャンベルの対談が乗っていた。この小説を絶賛していた。また、多くの読書感想があった。みんなこの本が理解できた人だろう。

芸術的才能も、文学的才能もない人間と自覚はしているが、こんなに意味不明の内容も著者の意図も良くわからない小説は初めてだ。未来小説なのか、と言えばそうでもないらしい。情景描写もない。無名とは人名か。体が不自由らしいが、なんでそうなったのかの説明もない。育てている義郎は110歳を越えている。出てくる子供たちはみんな普通の子供ではないらしい。それなら身体不自由児の問題提起なのか。そうでもないらしい。「献灯使」とは何を意味する言葉だ。著者はやたらと漢字が好きらしい。漢字を分解して見せたり、人名にやたらと相応しくない漢字をあてたり(キャラキャラ・ネームのように)。読んでいて腹が立ってきた。「そんな人には呼んでもらわなくて結構です」といいそうな不遜なにおいがする。

キャンベルは読みだしたら面白くて、という。頭のいい人にはわかるのだろう。

昔、高校生の時、A君は壇上でわれわれ生徒の前て何か話をした。哲学的な話だったか文学の話だったか、数学頭の俺にはさっぱりわからなかった。話しぶりも、人を小ばかにしたような話しぶりだった。彼が現役東大合格なのだ。頭のいい奴はこんな話をするのか、と思ったことを思い出した。

原発事故を経験して恐ろしい未来を描いたのか。放射能は怖ろしい、と言いたいのか。そうではない。著者はそんな問題提起をするのでもない。肢体不自由児、介護の問題か、でもない。この本に社会問題性もなさそうだ。では著者は何を訴えるのか。娯楽小説でもない。どこに文学的価値があるのか。

キャンベルとの対談を読んでも著作の目的が全く分からない本だった。

ちなみに講談社の「献灯使」にある短文も私にとっては何も価値のない文章であった。特に「不死の島」は原発事故(近未来?)で日本が沈没し、難民となって中国に助けてもらう、などと、私にとっては反吐の出そうな想定の短文だった。何を考えているのか。この人は日本軽視の人らしい。

ドイツに住むとドイツに比べて日本は???となるのだろうか。クライン孝子という人が居る。戦後処理においてドイツはアデナウアーのもとに近隣諸国と真摯に向き合って関係改善し、欧州で確固たる地位を築いた。それに対して日本はいまだに近隣諸国と戦後処理ができていない、と批評した。私はその意見に異議を申し立てた。「ドイツは宗教的にも政治経済的にも欧州の一員であり価値観を共有するから戦後処理がうまくいったのである。日本の周りには中国・韓国・北朝鮮・ソ連という非民主主義国家があり、価値観の共有ができない国家である。条約を結んでも勝手に破るような国家である。ちなみに他のアジア国家にはそんな反日国家はない。日本の周囲には反日独裁国家、非民主主義国家があるために関係改善ができないのだ。欧州はそんな日本の情勢を理解しない」とクライン孝子さんに反論した。彼女は認めてくれたようだったが、それでその後の彼女の主張に変化があったかどうかは分からない。日本のリベラル層は、特に外国在住者は日本の主張を宣伝しないで居住地に安住する傾向があるようだ。右翼でも左翼でもない、自分の頭で考える主義の私には理解できない日本になってきた。

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2012年10月15日 (月)

共著者の責任を問え:iPS事件

山中教授のノーベル賞受賞に悪乗りするかのように「iPS細胞の人体応用成功」のニュースが流れ、そのニュースの信憑性に疑問があると言う続報でテレビなどが騒いでいる。

科学の世界で時々流れるこの種の事件の原因はどこにあるか。事件を起こした論文の共著者の責任を徹底させないためである。

今回の事件で言えば、森口氏が学会発表すると言うその論文(ポスターでの発表)の共著者である。そこに書いてある教授らの名前である。共著者も発表者と同じ責任がある。もし、報道にあるように共著者が知らないのであれば、名前を勝手に使われたのであるから森口氏を告訴しなければならない。それが出来ないのであれば同罪である。

このような事件を起こす人は必ず有名教授などを共著者にしておく。論文を審査するレフリーはその教授が責任を持っていると考えるのだから、審査も甘くなる。その学会常識を悪用するのである。名もない一人の研究者が重要な論文を単名で投稿すれば自ずから審査は厳しくなる。

2000年頃、超伝導の分野でノーベル賞にも推薦されそうな論文が一流雑誌に何篇も掲載された。この研究は、ある方法で薄膜を作り、電子を注入すると超伝導を示す。その臨界温度が100Kを越える、というものである。科学界で一番評価の高いNatureという雑誌などに投稿し掲載された。これがなぜ疑われたか。科学知識は誰にも共有されなければならない。しかしこの結果は他の研究者が追試しても誰も同じ結果が得られなかった。この薄膜を作ることが出来るのは彼だけだった。他の研究者が誰も追試出来ず、彼の研究グループの誰もがその追試に成功しなかったため、研究結果が疑われた。共著者にはこの分野の有名人が名を連ねていた。アメリカ物理学会はついにスタンフォード大学のビズレー教授を委員長とする調査委員会を立ち上げ、彼の論文を徹底的に分析した。その結果、図面などに巧妙に作図されたことが指摘され、データは偽造されたものと結論された。一連の彼の論文はすべて学術雑誌から削除された。つまり、発表がなかった事になった(そのページは空白である)。常温核融合の時もそうであるが、アメリカは調査委員会を組織して徹底的に調査し、報告書を公表する。曖昧にはしない。これはアメリカの良いところである。

彼はこの分野の学会を追われ、ドイツに帰った。しかし、一流の科学者にも見破られない論文を書けるということは、これはまた大きな能力なのであろう。この能力が評価されたか、ドイツで就職できたと聞いている。

問題は共著者の責任である。渦中の人は責任を取らされた。当然である。この事件が解決しても共著者に名を連ねたこの分野の有名人は何のお咎めもない。彼の業績に傷がついたとも聞かない。自分が名を連ねたことが事件の一因でもあるのである。学会はトカゲのしっぽを切って、教授らは何のお咎めもなし。アメリカ流の研究者評価システムでは論文をたくさん書いた人が評価されるからである。日本でもある教授は自分の研究室を卒業した人の論文のすべてに共著者となっている。そのために自分の名前の入った論文同士で結果が異なる論文も出てくる。「お前の考えはどっちなんだ」と批判されても、カエルの面に何とか。責任を取ることはない。

今回のiPS細胞の事件でも東大や医科歯科大の教授等は共著者として名前があがっているようである。「私は知らない」というのであれば、「名前を勝手に使用された」「名誉が傷つけられた」などで森口氏を告訴すべきだ。それが出来ないのであればこの事件では同罪である。このようにけじめをつけないことが同種の事件が絶えない原因である。いつの世でも売名行為はある。このような研究者は常に日のあたる研究分野に顔を出してくる。それに協力するのが新聞、テレビなどのマスコミである。今回の騒動の責任の多くは読売新聞にある。記事作成の検証をしなければならない。

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2012年9月22日 (土)

唐辛子さんにモノ申す:日中問題について

「辛子IN日本」のタイトルで中国語のブログを書いているという唐辛子さんは朝日新聞(9月20日)で次のように主張している。

尖閣問題で「日中友好などという官製の友好は止めよう。現状は反友好ではないか。友好を捨てて理解する事から始めよう」と。

これは中国人に都合のよい主張である。

日本人は中国を理解し、友好を貫いている。現在の日中関係の悪化は中国の社会体制に起因する。理解するには真実を学ばなければならない。中国人が真の歴史の真実を学べる体制にあるか。共産党の一党独裁、国で進めている反日教育、これで中国人が真の日本を学べるか。数年前、反日教育を受けた中国人女性に会った。何を話しても教えられた反日教育に疑問を感ずる態度は一つもない。桜の木も元をたどれば中国の物だと言い張る。また、中国人の知人に招待されて大連に行った時、ついでに知人の実家を訪問した。父親は「現在の中国はどうなっているか」と俺に聞いてきた。「中国の実情は中国に居てはわからないから」と。テレビや新聞でも中国の真の実情は知りえないことを知っているのだ。

政府に都合の悪いブログは削除される。日本の実情も知らないが、特に中国の真相も知らない。ワイルドスワン、マオ(誰も知らなかった毛沢東)、中国農民調査(以上、日本語題名)など、中国で一般に手に入るのか。日本では教科書で習わなくてもどんな本も手に入る。日本人は中国はどんな国か知ることができる。一方中国人は生まれたときから反日教育を叩き込まれて、学校で教えられた物と矛盾するような本は手に入らない。これで日本を理解する事が出来るか。今回も既に日本の書籍の発売が禁止されている。政府は禁止を指示していないとも伝えられているが、調子に乗って発売したら大目玉を食うのが分かっているから自主的にやっている、ということかも知れない。実態としては同じである。

もし、唐辛子氏が主張することを実行に移す気があるのであればまず、アナタが大学の図書館にいろんな本を送れ。中国で発売禁止になっている本を寄贈せよ。日本人も協力する人は多いだろう。テレビや新聞、ネットは政府の支配下にあるからそこから情報を得るのは不可能であろう。現在の状況を日中同じだと考えているのなら、そもそも貴女の考えは偏見に満ちている。中国人は自分たちの社会が自由にものが言える社会かどうか考えてみるべきだ。

「日中が相互理解をすることから始めよう」という主張はナンセンスである。すでに日本人は中国人がいかなる民族か、共産党に支配されて自由にものを考えられない、物が言えない状態にあることを知っている。海外に住む中国人は何百万人もいる。彼らはみんな知っているはずだ。日本にいる中国人も大勢いる。私の職場にもたくさん居た。でも政治問題を討論することを彼らは避けている。彼らの脳裏に天安門事件がある。文化大革命がある。国外の中国人は自分が見た世界の真実を、世界が見る中国感を中国に居る中国人に教えてやる事から始めよ。中国は「歴史の一時期日本が中国を侵略した」と抗議している。清朝は女真族が漢族を300年に渡って支配したのではないか。現在は新疆ウイグルやチベットを侵略支配しているのは中国だ。われわれ日本人から考えればそういうことだ。中国は清朝の最大領域を中国領土と主張している。元の時代はもっと大きかった。その論理が通るなら日本の最大領域は満洲からアリュウシャン列島にも広がることになる。

唐辛子さん、貴女のブログは中国語だからどんなことを中国人に書き送っているかは分らない。あなたの主張を認めるのは朝日新聞のような「朝日新聞的インテリゲンチャ」だけだ。ご不満があればいつでも議論しようではないか。ただし、貴女が自由にものが言える人間であるならば。

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2012年6月11日 (月)

一人ぼっちの日本の将来は??

経済的には日米欧などと言われ、日本はアメリカと同等に扱われ、欧州と対峙する。政治的には一人ぼっちである。国連ではその他大勢で本会議での一票の権限しかないのに、アメリカに次ぐ国連分担金を払わされている。同じ敗戦国でもドイツは欧州の仲間入りしただけでなく、今やドイツなくしてEUは成り立たないほどになった。一方、日本は中国をはじめとするアジアの中で孤児となっている。ドイツ在住の評論家、クライン孝子氏は自身のブログで「ドイツはアデナウアーを始め、政治家がしっかりしていたから周辺国との戦後処理は終わった。日本は政治家がアホだから、今だに戦後から抜けられない」とノタマッタ。意義あり、「ドイツは、周辺国はすべてローマ帝国の末裔で民主的国家である。ナチスに全責任を負わせればみんな納得する。日本は、周辺国はすべて民主国家ではない。しかも、日米どちらに真の責任があるか分からないが、昭和天皇が退位すると言う責任も取っていない。戦後が終らないのは日本の政治家の資質だけにあるのではない。このような周辺環境に大半の原因がある」。最近見たネットではクライン孝子氏は私の意義を「その通り」と認めていたらしい。

だが、なぜ日本はいつも世界で一人ぼっちなのだろう。国連でも、G7G20G20、でも一人ぼっち。経済が悪くても、なぜか円だけは高い。中国はBRICSや上海機構など、新興勢力を味方につけている。なぜ日本だけが一人ぼっちなのか、という疑問は解けなかった。最近「文明の衝突」なる本を読んでみた。その中に、回答が記されていた。

著者、ハンチントンは、文明史でいうと現在、世界の文明は次のように分類される。すなわち、西欧(欧米)、アフリカ、中国、ヒンズー、イスラム、日本、ラテンアメリカ、東方正教会(ロシア)、の8文明を挙げている。日本は小さいながら4,5世紀に中国から独立し、もう一つの文明になったという。

一般に一つの文明は数カ国を含んでいる。日本だけが一国一文明である、という。文明が違う国は一緒になれない。トルコはEUに加入したい。だが、EUは西欧キリスト教文明にイスラム文明の国は入れてくれない。オーストラリアはアジア圏に入りたい。東アジアは中国と華僑が握っている中国文明である。アジアはオーストラリアを加入させない。同じ理由で文明の異なる日本は東アジアに入れない。第2次大戦、大東亜の夢はそもそも文明論では無理であったのか。

そして、ハンチントンは「社会も文明も独特な日本は、東アジアとの経済的な関係を発展させる上で困難に直面し、アメリカやヨーロッパとの経済の違いに対処するうえでも苦労している。日本がどれほど強固な貿易・投資関係を東アジア諸国との間に結んだとしても、東アジア諸国とは文化が異なり、中国系が多くを占める経済界のエリート層とはとりわけ異なっている以上、NAFTAや欧州連合に匹敵する地域的な経済グループを日本主導でつくることはできない。同時に、日本は欧米とも文化的に異なるため、アメリカやヨーロッパとの経済関係にもお互いに誤解や敵意が募っている。***文化的に孤立している日本は、今後は経済的にも孤立していくかもしれない。」と主張する。

いま、アメリカは力でTPPを推し進め、文明の違う諸国を集めて自国の経済を立て直そうとしている。経済破綻した韓国はIMFの救済を受け入れた。つまり、アメリカの論理を受け入れたのだ。そしてアメリカモデルの経済になった。少数の富裕層が支配する契約社会である。格差社会が出現し、いままたISD条項で苦しんでいる(FTAにもISD条項が入っているのかは不明)。IMFTPPもアメリカが牛耳る。法律を作っても裁判員はアメリカで物理的に罰を執行できるのはアメリカである。「アメリカの国家犯罪全書」に詳細があるように、アメリカを法律で縛る事はできないのだ。

アメリカは経済復興に向けてシェールガス採掘技術が向上し、ガスから作る石油でエネルギーを賄う方向に進んでいる。その安い石油を、アメリカモデルを導入した韓国には輸出するが、TPPに入らなければ日本には高い石油になると脅してくると言う。これがアメリカの言う自由主義、資本主義、民主主義、だ。

さて日本はどうする。

戦後アメリカは自民党独裁を支援するためにCIAは自民党に多額のお金を渡していた、と「アメリカの国家犯罪全書」に書いてある。日本の長期政権は佐藤、中曽根、小泉、みんなアメリカと仲良し政権だ。外交の軸足をアジアにシフトさせようとすればすぐに政権は崩壊し、短期政権になる。

日本文明を守るか、アメリカ文化に染まるか。それとも中国文明に近づいて東アジア圏に入るか。

中国は華僑が進出してアジアに中国文明を広めていった。イスラム圏は拡大し続ける。日本は山田長政のタイに日本文明を作りかけた??アメリカや中南米にも移民した。しかし、日本人は移民した国で日本文明を守らず、その国に同化した。フジモリは大統領にまでなったが、日本文明は育っていない。敗戦後、日本人は進出した満洲やアジアからみんな引き返した。そこに留まって日本文化を根付かせることはなかった。だから今日、日本文明は日本一国のみ。世界の孤児となっている。

文明論的に世界を見るとこうなるのだそうである。かなり納得できるように思える。

さて日本はどうする。

8つの文明の中で、アフリカとラテンアメリカは核兵器を持つ能力がない。技術も経済もその能力があるのに核兵器を持っていないのは日本文明だけである。武力なくして日本文明は守れるか。文明構成因子として重要な言語(日本語)、宗教(仏教)はどうなる。

アマノジャク氏の見解は後ほど聞くことにしよう。

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2012年4月 2日 (月)

原発事故、内部被ばくからどう守るか:

原発事故を受けて、やるべきことは、事故原因の究明、原発存続の成否の決定、被爆者の救護(避難、除染など)、など沢山ある。この中で報道から見えてこないものに、内部被ばくからどう守るか、という問題がある。

ホウ素に関しては(甲状腺)半減期が短いため初期動作が問題となる。初期動作に政府の失態があったが、もう対策としては過去のものとなった。今後、原発から新しく放射能が排出されなければ現在はもう大きな問題ではない。

セシウムの問題である。

今中らはチェルノブイリに深くかかわっている。すでに多くの報告書を出している。事故の経過、事故後の関係国の対応は分った。被ばく者に対する対策はどうなったのか。

今中、小出等、京大グループは原発の危険性を訴えて、原子力ムラからは離れている。原発事故後急に表に出てきた。そして脱原発を訴える。それは当然のことでもっとがんばってもらわなければならない。しかし肝心のことを忘れていないか。脱原発は今日明日の問題ではない。原発推進の権力側と対峙して脱原発に持って行くにはもっと長い時間が掛かる。それよりも現在危険にさらされている被爆者の安全を考えなければならない。彼等は工学者で医者ではないが放射能の危険性を除去することにもっと勢力を使う義務がある。その為に汚染土の除去や体内被曝の削減をすすめなければならない。

幸い、チェルノブイリの経験がある。

「原発事故20年」という本に

1996年、ネステレンコはウクライナの厚生省が推薦するアップルペプチンに基づいた、放射性セシウム(Cs137)を効果的に吸収する食物サプリメントを導入した。ペクチン分子はCs137分子と結合する。生態はペクチン分子を吸収しないため、体内からのCs137の排出が促進される。一ヶ月の処方で体内の汚染レベルを6070%減少できる

という記述がある。しかし、チェルノブイリの報告書に大きく係わってきた今中等の報告の中にこの記述は見出せない(私が読み落としているかもしれないが)。この結果が本物であるならば、避難区域の住民や大量の被ばくを受けている事故処理作業員に適用すべきであろう。もし、このネステレンコ教授の研究結果に疑問があっても他に方法がなければこれを適用して経過を記録する事で大きな成果を得られる。なぜ実施しないのか。それとも報道されていないだけで実施しているのか。いくつかの研究機関に問い合わせてみたが、的確な回答は得られなかった。青森JAのホームページだったと思うが、りんごからアップルペクチンを取り出し、被災地に送っている、というような記述があったように思う。だが、送るだけではダメなのだ。追跡調査して科学的データを出さなければならない。

「原発事故20年」にはフランス科学者のNPOはネステレンコ教授の成果を故意に無視し、権力側は教授を閑職に追いやり研究費を絶ったとある。朝日新聞はこの本の著者にインタビューしているが、そこでは肝心のアップルペプチンの記事はなかった。

脱原発に方向を転換したとしても廃炉などの作業を含めて、原発作業員は大量の放射線を浴びることが想定される。体内被曝の軽減は他に方法があるのか。作業員の健康管理の報告は公開されているのか。これもまた東電により隠ぺいされているのか。東電の社員は経営者と同じく、事実を隠ぺいするか。内部告発も出来ない体質なのか。

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2012年3月25日 (日)

橋下よ!同和行政はどうするのだ:

維新の会は政治塾を立ち上げ、塾生を集めて君が代を歌い、国政に打って出ようとハッパをかけている。府議会では教育改革を行い、市長や知事が教育委員会を乗っ取り、国のレベルではなく地方が勝手に教育を進める事ができるように変えた。

停滞する日本の政治。これを改革するために立ち上がった、という意志は良かった。日本も少し代われるか、と考えた。ところが変な方向に進みそうな気配だ。大正デモクラシーが破綻して、軍部による昭和維新へと移行していった時代を思い出させる。橋下の手法はヒットラーなどのファショと似てきた。

そこで先ず橋下は市長としての義務を果たすことを要求する。知事も満期まで待つ事もなく、今度は市長も満期前に辞めるかもしれない。

そこで同和行政である。

大阪といえば山口組、暴力団、部落民、と悪い事を思い出す。そして同和対策で莫大な予算を使った。同和問題とはなんだったのか。お金の面では逆差別を生んできた。しかもこの問題は報道機関によって全国に知れ渡る事はなかった。暴力団も参加して脅迫による言論封鎖、それでも警察は動かなかった。そんな過去を知っているのかいないのか。

橋下は「同和問題は解決していない」「同和対策は継続する必要がある」「委員会の諮問を待って対策を進める」と言っている。

大阪、奈良、京都、同和関係でどれだけ不正なお金が動いたのか。専門家による本はたくさん出ている。しかし、テレビや新聞など一般大衆が分かるメディアでは大きく報道される事はなかった。日本のマスコミは権力に弱い。政治家が一番勢力があるときは不正があっても黙っている。一度落ち目になるとその叩きぶりは世界一だ。いま、橋下は国内で一番力がある。だから彼の負の部分は報道されない。

俺が部落民問題に最初に接したのは大学に入った時だ。そこで初めて部落民と言う言葉を聞いた。問題はどこにあるのだろう。部落民である事はどうして分かるのか。だから、戸籍簿からは消す事になった。今は公的には分からない事になっている。

橋下は子どもの頃同和地区に住んだ事がある、と自身で述べている。それは彼が部落民である、ということではない。同和予算で建築された低家賃の住宅に入居できただけだ。それで同和問題を理解している、というのか。

一番良く書かれているのは一ノ宮美成&グループ・K21の本だろう。

どれだけの予算が同和対策に使われたのか。どれだけの不正があったのか。議会は正常に機能したのか。「同和問題は解決していない」という認識であるならば、この本のどこに問題があるのか。維新の会、その所属する議員は暴力団に与するのか。すでに同和対策は部落民の差別の問題を離れ、これを利用した利権になっている。部落民と称する人たちがどれだけいるのか。彼らは現在の同和対策をどう評価しているのか。一般市民はどう評価しているのか。そのために大阪市の財政をいかに悪くしたか。

すでに維新の会の議員が大阪市の契約に口利きをやっている、という報道がなされた。橋下は厳重に注意する、と記者会見で話した。脅迫された同和予算のときとどう違うのだ。

橋下の改革ではこのような不正は見逃さない、というのが期待されたはずだ。しかし、「同和問題は解決していない」として同和行政を継続するということは、すでに同和に取り込まれているのか。ある人は言う、「山口組が今日、日本の暴力団として最大の勢力になりえたのは、巨額の同和対策予算が山口組の資金源として流れたからである。山口組は同和対策予算の膨張とともに肥大化した」と。

橋下は「同和問題は解決していない」というのであれば、市長として同和行政の総括をすべきだ。そしてそれを公開せよ。

私は既に「橋下紅衛兵が暴れ出す」ことを危惧することを書いた。このような負の部分を切り捨て、真に日本の政治改革をする意思があるのであれば市長として大阪の同和行政を正し、右傾化した教育行政を元に戻すべきだ。大阪都構想で府と市の2重行政を正す、だけなら大阪を都にする必要はない。現在の制度でも十分できる。

大阪市民よ!橋下維新の会の真実を見よ。

子ども達を公立学校に任せられるか。同和行政で歪んだ政治を正せるか。不正に流れた予算がどれだけあったのか。韓国政治のように前政権(平松市長)を糾弾しているだけでは何の進歩もない。これまでの同和行政を総括すべきだ。総括せずに同和行政を続けるのは、事故原因の総括もなく原発再稼動を進める政府と同じ構造である。大新聞、テレビは報道しないだろう。書物やネットで監視して自分としての判断を持たないと自分が不幸になる。

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2010年10月21日 (木)

小沢一郎の外交感覚

永田町異聞氏は小沢一郎の外交感覚を次のように書いて絶賛し、小沢一郎の復権を求めている。

氏は

「剛腕維新」という本に、小泉時代の尖閣諸島問題について小沢は「僕が首相の立場なら、日本の主権を意図的に侵した活動家7人は法律にのっとって適正に処理する。そして、日本の領土である尖閣諸島に海上保安庁の警備基地などを設置して、国家主権の侵害を認めない」(04年4月2日の記事)

と書いた。今回はこの線に沿って菅内閣(前原外務大臣)は船長を逮捕処理したのだろうか。

氏はまた本を引用して、

ともかく、多くの国からまともに相手にされていないのが、悲しむべき日本の現状なのだ。これは日本および日本人が、自らの主張を持たず、勇気を持って責任を果たさず、問題から逃げてきたことが最大の原因だ。米国も中国も韓国も「しょせん、日本は意気地なしの臆病者だ。いざとなればすべて金で解決できる」とばかにして、見下しているのである。

と書いた。

そして最後に、

小沢なら、諸外国との外交交渉をどのような戦略で進めただろうか。

と書いて

小沢一郎の復権を求めている。

さて、この外交感覚は私も賛成である。がさて、自分が総理となった時に出来たか。総理でなければできないか。これが問題だ。中国を訪問して、中国に対して辛口に対応してきた。言うことは言っておいて昨年の習氏の天皇会見を押しとおしたり、政治家を多数引き連れて主席に会い、友好関係を演出した。しかし、主席と会ってペコペコ頭を下げている姿は中国に媚を売っているように見えた。だから今回の尖閣諸島問題の解決にはあの中国訪問が何の役にも立たなかった。菅総理の弱腰を批判しているが自分も媚を売ってきたのではないか。「俺は総理でないから口出しできない」とか「菅内閣が毅然とした態度を普段から示していないからこうなった」とかの批判はそのまま受け取るわけにはいかない。

野党時代アメリカの駐日大使との会談を「民主党本部で会う」という自説を通した。それは簡単には米国の言うままにはならないぞ、ということを示したものだとして永田町異聞氏は小沢を絶賛している。

それだけ自信があるならば与党幹事長としてなぜ普天間問題を解決できなかったのか。鳩山とは緊密な仲ではないのか。「俺は政府ではないから」と無責任ではいられないはずだ。

小沢一郎でなくても政治家に問えば、彼の本にあるような論を述べるであろう。いざ政権を取り、その責任者になった時、いかにしてそれを実行できるか、が問われているのである。

民主党内閣では「戦略室」が総合的判断で外交方針を決めるものと期待していたが、普天間問題で小沢幹事長が政府与党間の関係を壊した(と考える)ために現在の状態になった。多分小沢は普天間のグアム移転はもう少し時間がかかるとみて、鳩山に責任を押し付けたのであろう。

問題は短命内閣にある。次の選挙まで支持率がいかに低下しても解散なしだからしっかりやれ、と励ましたい。韓国の大統領はあれだけ支持率が下がっても続けているうちにまた上がることもある。大統領の任期中は首にならないからだ。日本も大統領制を考えてもよいかもしれない。

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2010年9月 6日 (月)

アメリカ民主主義の実態:

本題に入る前に民主党の党首選挙について:小沢一郎は菅総理の政治主導を批判する前に二人三脚で始めたはずの鳩山政権でなぜ政治主導が出来なかったのか、その理由を説明しなければならない。その説明がなければ彼のいう政治主導は実現の可能性はない。民主党議員は彼の一年をよく研究する事だ。小沢一郎が政治主導を本気で考えていたら鳩山政権で出来たはずである。鳩山でも菅でも出来なかった(小沢が反対したから)。どうだオレが党首になれば出来る(小沢のように権力を使って反対する人は居ないから)、とでも言うつもりか。

さて、本題に入ろう。アメリカは自らを民主主義の原点として、キリスト教徒国家(大統領の宣誓式から考えて)よろしく、世界を民主化しようと布教に余念がない。しかし、アメリカは世界に誇る民主主義国家なのか。「イラク占領」「戦争の家」「貧困大国アメリカ」「民衆のアメリカ史」から実態を見てみよう。歴代大統領を見てみるとローマ帝国と似ている。ローマ帝国はカエサルをはじめ、武力で皇帝が決まっている(塩野七生によれば初代皇帝はアウグストスで、彼は武力ではなく統治能力の人のようだ)。アメリカ大統領も戦争の功労者(対インデアン、対メキシコ、対黒人、など)が多い。選挙権は第2次大戦後も平等に与えられていない。選挙人登録に出かけても黒人は拒否された。選挙権の男女平等が実現したのも遅い。先住民が過去の契約を元に居住地を要求しても知事が州警察やFBIが導入して鎮圧した。しかもこのニュースが一部にしか報道されない。その理由は権力を握る富裕層がマスコミを握っているからである、と。これが遠い昔の話ではなく、1970年代の事である。日本では悪名高き「治安維持法」。これに似た法律がアメリカでもベトナム戦争で使われたのである。

政治権力から国民の権利を守るのは司法である。この司法が権力に与している。労働争議には常に経営者側がスト破りを導入する。そのスト破り人に受刑者を導入する。スターリンがシベリア開発のために受刑者をシベリアに送る。人数が足りなくなるとドンドン逮捕した。これと大差ない。この権力に従順な司法制度を守っているのが陪審員制度である。陪審員は金で買える。

これらが過去の話ではない。第2次大戦以前にこれらが克服されていたのであれば、第2次大戦が民主主義国家がファシズム国家を破った「正義が勝つ」というアメリカの大好きなストーリーが成り立ったであろう。

民主主義国家といえなかったアメリカが戦争に勝ち、大帝国として君臨するようになった事がその後のCIAによる戦争であり、ついに最近のイラク戦争、アフガン戦争に進んだ。ソ連崩壊後のユーゴや、旧ソ連内共和国の独立戦争などへの介入は「われこそ民主主義の神様の使いである」というキリスト教世界特有のお節介な民主化の押し売りではなかろうか。

アメリカは現在も「国民による国民のための政治」ではない。1%の富裕層が富の大部分を握り、ペンタゴンを牛耳る国家。それがアメリカである。ではそのアメリカをなぜ国民は支持するか。何でもいいからアメリカ国民は「アメリカが世界一である」事を支持している。アメリカの本質は「世界一」である。世界の国民はどうでもよいのである。

ただ制度としてアメリカを見るとき、支持できるのは「大統領などの首長は28年で交代する」と言う不文律と「30年後には公文書を公開する」という制度である。これがかろうじてアメリカの民主主義を守っているのではなかろうか。

今アメリカは職業軍人(死なない)がロボットと民間の傭兵で戦争を続行している。本当のアメリカ人は生命の危険が及ばないので戦争抑止力は「お金」だけである。この状態がしばらく続くかもしれない。

もう一度、民主主義を考えよう。これが現在考えうる最善の政治・社会制度であるか。

アメリカの要求する民主化とは??

これらを研究したうえでアメリカと対峙する。そんな政治は日本に出来るか。政治家は居るか。

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2010年6月 9日 (水)

毛沢東と小沢一郎の類似点

最近「マオ」という本を読んだ。これを読むとこれまでの毛沢東本はすべて毛沢東が実権を握ってから宣伝のために書かれた本だったということが分かる。世界の人は一読する必要がある。特に中国人に読んでもらいたい本である。

毛沢東は実権を握るまで彼の方針はことごとく失敗し、党内人気もなかった。しかし絶対に自分の意見は取り下げず、他人の意見を批判した。党内をまとめたい良識派は仕方なく毛沢東の意見を入れた。そのために常に作戦は失敗し、大量の死者を出した。毛沢東の考えの根底にあるのは中国の人口である。6億の人口は半分死んでも3億もあり、そうなっても人口ではソ連に負けない。自分が党の実権を握るまで、握ってからも、常に国民は何人犠牲になろうと構わない。何千万人農民が餓死してもそれは人口の一部である。農民から食料を取り上げ、何千万人農民が餓死させてもその費用で核兵器を含む近代兵器を導入した。

一般に政治家は独裁政権でも国民を餓死させるようでは国力が衰えるため、そのような政策はとらない。さすがのスターリンでもそこまでは考えなかった。いま、北朝鮮が毛沢東と同じ路線を走っている。

さて、小沢一郎。政権交代が成って自分が幹事長。日本の政治を変えようと思えばできるはずであった。しかし、脱官僚、政治家主導、政策を考えるのは政府である、として自らはダンマリを決め込み、党がまとめたはずの政策に積極的に関与することを拒んだ。参議院も多数をとるまで頑張るんだと。どうやら彼は選挙が楽しい。自分が選挙を勝たせてやって、「お前たち、俺が当選させてやったのだ」と権力をふるいたいらしい。選挙が毛沢東にとっての核兵器のようなものだ。毛沢東と同じく、国民はどうでもよい。選挙に買って与党議員を自分の前に膝まづかせたい。どうやらこれが彼の本心か。

マスコミや本などで「小沢一郎は権力者」というから、お人好しの鳩山を首相に据えて、300議席の多数を持って、高速道路問題や普天間問題などを解決するのを期待していたが、全く違った。高速道路問題では自ら公約を破って地方選挙では「我々を応援しなければ道路予算もつけない」と脅し、普天間問題では右往左往してもなんとかグアムへ持って行きたいともがく鳩山に何の援護もしなかった。政権交代して、民主党は海兵隊基地の辺野古移転は認められない、と党内世論をまとめれば、従属国家とはいえアメリカも無視できなかった筈である。小沢一郎は何もしなかったために鳩山内閣は倒れ、自らも幹事長の職を失った。「何もしなかった」のではなく、「何もできなかった」のか。とすれば小沢一郎の力もこの程度であったか、と思わざるを得ない。

田中宇はブログで「鳩山や小沢に自由にやらせていたら、日本は米中に協力して朝鮮半島やミャンマーの問題などを手がけたかもしれないが、官僚機構とマスコミが全力で対米従属に固執して鳩山・小沢を潰したため、日本は何もやらない国のままである」という。果たしてそうか。「官僚機構とマスコミが全力で対米従属に固執して鳩山・小沢を潰した」のは認めるが。政権発足以来、鳩山・小沢で普天間問題を真剣に議論したとは思われない。小沢に世間で言われているほどの実力があれば、300議席の民主党をまとめ、社民党も連れて「普天間をグアムへ」という決議を国会で通すこともできたはずである。フィリピンは「米軍出て行け」決議で出て行ったという。

田中角栄がアメリカに逆らって独自外交に走ったためにロッキードでつぶされたとの見方もある。その子分である小沢はひるんだのか。それとも実力がなかったか。

小沢一郎は選挙が楽しくて、国民を犠牲にした。毛沢東が農民を犠牲にしたように、とアマノジャク氏は考える。

ではどうするか。次に考えてみよう。

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